月 刊 一宮庵たより
平成一二年八月号 第68号
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   有限会社一宮庵
編集者 齋 藤 隆 史

還暦準備婦人 親善の旅

二〇〇〇年八月一日(九紫辰年、九紫の月、九紫の日)の記念すべき日に、小学校から巡り合った一九四二年前後生まれの同級生が人生の一巡り。還暦の年を記念して世界へ向ってのメッセージを心に秘めていよいよ旅立ちました。親指、人差し指・・小指までそれぞれの役目を経験して右手となり同じく左手も一巡りしてようやく両の手となって自分以外の事にお役に立てる年令が還暦と考えます。一人一芸を持つパーソナリティーが同じ場所に集まって小学校で机を並べた時の夢を現実にする事が、両親の恩、師の恩に報いる日本人の魂でありましょう母なる大地の存在する日本から南西に位置するシンガポール。
二〇〇〇年の年は神仏の星がめぐり、折りしも商業のかなめであるこの国に、私達の同級生K氏が、日本の代表的企業の責任者として活躍されております。業通訳「照」 現役教師「操」 文化の担い手「宗厚」三名は、南の星の大王様のもとへ集合致しました。
本八月一日の記念すべき日に、伝統の茶の湯でのおもてなしと、NHKのドキュメンタリーにとりあげられた 有名なシンガポールの料亭「茜」野川料理長による華麗な日本料理。 加えて一宮庵のメイン料理である胡麻豆腐、弘祥すくい豆腐をお楽しみいただきました。  又、若手女性講談師 神田昌味も、徳川三代将軍物語りを御披露しました。
お客様は、世界屈指の大富豪夫妻、公人や大企業トップの方々、アーティストのナンシー・ガンさん等 華やかな顔ぶれの揃った和やかな日星交換会となりました。


シンガポールに根付いた
      一宮庵流お茶魂

TK氏宅のメイド、マリーさんは、突然降って湧いたような珍客に戸惑いながらも、奥様の優しい眼差しから、私達が暴徒ではない事を察して、快く台所を開放して下さいました。
日本から持参した大豆を水に浸している間、貯蔵棚、冷蔵庫、食器棚から何でもかんでも引っ張り出して勝手気侭に作ったお昼のお食事は、「そうめんア・ラ・カルト」
和風そうめんと、そうめんスパゲテイの何でもアリで、ちりめんじゃこに大根オロシ、奈良漬けに菜っ葉のお浸し、にんにくトマトソース、胡瓜もみ、昆布の佃煮等がトッピングです。昆布と削り節でとった出し汁で冬瓜スープを作ると、マリーさんは親指を立てて「美味しい!」。
どんな材料でも利用し、何も残さない一宮庵流クッキングの神髄は、豆乳を絞った後のおから料理。この夜のパーテイーのお客様も料理長の手にかかって形よく盛り付けられた煎りおからに、感歎の声を上げられました。
 マリーさんは八月一日パーテイーの当日、朝から夜中まで料理長のもとで皿洗いを手伝いながら、日本料理の心を盗み、感動している様子に私も彼女に、一宮庵流お茶魂を伝授致しました。
 奥様の行き届いた心配りで躾られたマリーさんの動作は無駄がなく古き良き時代の日本人の心使いと共に、台所に立つ私の後ろ姿から、一心に料理を見詰めるつぶらな大きな瞳が印象的でした。
 何時でも何処でも誰にでも…
「星の王子様」のバスケットの中には茶碗、茶筅、建水と特製の茶入れが用意されて、今回の旅でも折りにふれお茶を頂きましたが、いよいよお別れの前日、茶碗にお茶を振り入れてポットの湯を注ぎ茶筅を振ってお茶を点て感謝していただくお茶魂を伝授致しました。
 シンガポールのTK邸では、今日も彼女の手によって「お茶を如何ですか」と、緑色の抹茶が和みの心を運んでいるに違いありません。

葉月の懐石
朝茶事(シンガポール風)
向付      千切り芋 貝柱 胡瓜 甘酢
     じゅんさい 粉山椒 八丁味噌仕立て
椀盛      冬瓜  蒸し鮑 波切り 忍びワサビ
     南瓜  TOKYO風
     カマス 風干し エリンギ
小吸物      蓮の実
八寸       うに  獅子唐
今年の夏はホヤホヤと湯気の立つシンガポールへご案内致します。
亜熱帯の地では毎日きまったように「スコール」が降って緑豊かな木々は十分に潤って、道行く人に安らぎをプレゼントしています。 
抹茶の色はそのまま心の「糧」となり、皆様をお待ちする日本の「打ち水」も形を心にしております。

 

風水会席
  夏のお献立
今年最大吉方で南西パワーを頂いてまいりました。
良く食べ、よく歩き、良くお喋りして身体中にエネルギーが漲っております。
「お福」をお分け致します。
時の肴      青菜 香草炒め
の膳      海老 セロリ 胡瓜 キャベツ酢の物
の膳      トムヤンクン
の膳      もやし炒め
の膳       ペーパーチキン
の膳       鱶ひれスープ
天        ご飯 味噌汁 
地       菓子 抹茶




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