一宮庵が目指す理念は真に豊かな日本の暮らしと心で一器三様の使い方を提案してまいりましたが、この度、畳椅子の完成を見て、此処に「衣・食・住」の価値と利用法を「守・破・離」の三様で表現して実際の使い勝手をお目に掛けられる事となりました。




 住まいは豊かになり、自由謳歌そのものが、次世代では個々の遊び心を格調高く自在に使いこなして、自分を自分らしく演出する事でありましょう。

自然と調和し、心地よい空間は、五感で味わう五官(眼・耳・鼻・舌・心)で花鳥風月を楽しみ、松籟の釜の音と緑の抹茶を戴き、い草の香りを嗅ぐ和の室礼(設え)は、心を日本人の原点へいざなうものです。




 老いも若きも生まれた時最初に親しんだ畳の郷愁はそれぞれの思い入れがございます。時代と共に生活環境は変わりますが、このたびの畳椅子は、室内にも、屋外にも自由に組み立て、組替えて「お茶室」「食事」「団簗」「寝室」「展示場」etcと変幻自在に使いこなす新しい時代とのかたちです。
 
生きていく心の大切な、決して捨てられない生き方、「培ってきた大切なもの」こそ、身近に置いて暮らしたい人によって「絵画」「書道」「教育」「花」など・・・私にとって「お茶」は、私自身であって日常の暮らしで、どこからどこまでと、別ける事の出来ない部分です。

 この思いが、畳立礼と進化して歳を取れば取るほど、積み重ねてきた生き方が存在感であり、自尊心であるので、老人ホームや、病院に、それぞれ過去のよき時代の環境を作って上げたいものです。
  千年親しみ愛される畳立礼でありますよう、熱く、熱く願っております。
宮膳 茶懐石 一宮庵
齋藤 宗厚