祖父 斎藤寅二郎がとりもつ、醤油との巡り逢い

そのお醤油屋さんは、高田市気仙町にあります。気仙町は高田の中心部から気仙川を挟んで南西に位置します。高田に古くから伝わる3つの七夕祭の内、最も勇壮で激しい喧嘩七夕≠フ夜のクライマックスの舞台となるその街の、白い土蔵に囲まれた一角が、文化4年(1807年)から続く八木澤商店です。そもそも東京銀座の田村塾でお知り合いになった、銀河高原ビール、トナカイ便の柴田大輔氏の御紹介により、この八木澤商店の河野和義社長と直接お話を伺う事が出来ました。八木澤商店のお醤油は、岩手産の減農薬丸大豆、南部小麦、天日塩、酒造用の地下水を材料に、木桶の自然発酵2年熟成、少しずつ手間暇惜しまず造られます。また、工場裏の自社農場では、自ら減農薬のシソ、ナス、胡瓜などが栽培され、それらは漬物として製造もされています。河野氏は言います…「およそ料理という物の土台となるのは良い水と良い塩だと自分は考えます。」 工場や農場を社長自らご案内頂き、そこで実際に試食した採れ立ての胡瓜の味はまた格別でした。
八木澤商店パンフレットより


河野氏のもうひとつの顔は、陸前高田全国太鼓フェスティバル実行委員会長です。今年で第12回を迎えるこの祭には、全国、ことに近年では海外からも一流の太鼓演奏団体が集まり毎年10月に行われ、今や太鼓の甲子園≠ニいうお墨付きまである盛大なものです。喧嘩七夕≠フ囃子太鼓を是非保存したいという、河野氏の熱い気持ちが大勢のボランティアの人達の心を揺さぶり、見事に結実したと云えましょう。さらに河野氏は熱く語ります…「義理と人情、お人好しとおせっかい、これが無くなってから日本はおかしくなった。自分はこれからも大いに御節介焼きに徹する…」 と。 聞くだけでこちらにも元気が伝わるお話を買われて最近は講演活動にも大忙しの河野氏、それでも何か、ご自身のスピーチに一味加えたいと思案しておられた折、「そうだ、フーテンの寅さんのアノ世界だ!」と思い立ち、山田洋次監督を講演会にお招きした事もあるとのこと…
日本喜劇映画界3巨頭 一宮庵に集う
 (現在の土間席の辺り)
左から 渥美清さん、山田洋次監督、斎藤寅二郎

日頃、一宮庵で 母、宗厚が話す言葉と符合するキーワードが、あまりにも多いものだと感心しながら伺っていると、宗厚が、祖父 斎藤寅二郎の話をし始め、寅さんの名前のルーツの事、その事で一宮庵に山田監督が祖父を訪ねてお見えになった事、などに話が及ぶと、それまで比較的イカツイ感じだった河野氏のお顔が パッと、明るくなり、それからは我が意を得たり≠ニいった満面の笑顔で、さらに時の経つのも忘れて会談にお付き合い頂き、来年も、いや、今秋の太鼓祭には是非と御招き頂き、一宮庵一同近々の再会を誓い合い、旧き良き土蔵の街をあとにしました。                                    文 事務局 隆史
河野社長と

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一宮庵
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