今年の朝茶事
立秋を過ぎると、さすがに朝夕は「はっ」とする程の風が通り過ぎます。古歌の「秋来ぬと目にはさやかに見えねども、風の音にぞ驚かれぬる」とは、実に鮮やかな描写と感心してしまいます。
季節ごとの室礼や旬の食べ物は、この国ならではの文化で、特にこの夏は、岩手県生出町の土地のお恵みの竹炭と炭俵、お人の縁によるベトナムのお椀や塗りのお盆が授かって我ながら自然のままに取り合わせたお茶の道具組みが、現在、ただ今の一宮庵そのものを物語って、、作意のないあるがままの朝茶事をお楽しみ頂けたのではないかと思います。
朝茶事は、冷房もない時代の先人の知恵から、日の昇る前の一刻を露地にはびっしょり水を撒いて地面からは露を含んだ風をのせて、ひときわ濃い緑の色を室内に取り込んでお客様をお待ちします。
八月は母宗玉の祥月命日が有り、毎回お灯かりを灯し香をたいて茶恩に感謝致します。
今年は特に古希を迎えられた大谷様から親しくお電話を頂戴して、姑様がお亡くなりになった年に一客一亭のお茶事をしてその折、二人でお経を唱えさせて頂いたその日を今年も重ねました。
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| 八月の終わり、朝茶も最後を迎える頃、中田様からお電話で「娘が建築科の勉強の中で神社、仏閣以外のお茶の室礼の結界の写真を撮る課題で困っています」とのこと、何とグッドタイミングで、今年の夏の一宮庵の「うちわ立てにすっきり伸びた竹炭の結界」がお役に立ちました。八月二十九日にはサンケイリビング主催で小学生の「体験ミニお茶事」で、箸の上げ下ろしから一汁一菜のお点心とお点前を頂く子供たちの興味溢れる風景や、ニューヨークから日本男児のお茶のお稽古のご依頼等があって、いよいよ二十一世紀は日本の国の楽しくて良いものが世界の皆様方のお役に立てる日が来るようです。 |
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