| 月 刊 |
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平成一二年十月号 第70号 |
編集者 齋 藤 隆 史 |
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おとなの美意識
茶懐石入門
茶道は大きく分けて「お茶会」と「茶事」に集約する事ができます。おもてなしの心も、茶会と茶事では「かたち」が異なり、茶会は大勢のお客様に対して、お迎えする側はそれぞれの役割分担を秩序正しく行ってまいります。
一方茶事は、一客一亭が主軸となってテーマを定め「お人」に焦点を合わせて、お茶の道具組みからおもてなし料理まで、すべて亭主役の主が取り仕切ります。ご馳走と読むその字の如く東奔西走して、今日この時は再び帰らずと「一期一会」の言い伝え通り真心を込めて一会に期す…、それが茶事の心といえましょう。
懐石料理の主役は「濃茶」
なかでも懐石料理は、茶事のテーマである主客のもてなしの主役である「濃茶」を頂く前に、刺激の強いお茶で胃を傷めぬ様,禅僧が修行の場で空腹を一時しのぐ為に石を温め懐に抱くしぐさを取り入れ「懐石」と伝えられております。
この由来通り、主役は「濃茶」にあって、料理はあくまでも粗食がよろしく、贅沢な金銀をあしらう事ではなくて、亭主自らが日頃充分に親しみ習得した料理に素材と心を注いで真摯に取り組む姿勢こそがご馳走と申せましょう。
本来の茶事は、主客共々毎日の暮らしの中で「心に留めた事」「思い出」「冠婚葬祭」「入学」「卒業」等、日頃の事を「はれの場」として進化させるおもてなしの場で、お互い、なごみの中に凌ぎを削る伝統文化の実践の場でございます。
衣食住を昇華させた
優雅な世界
懐石料理は作る側と食する側もテーマと約束が決められており、お膳を持ち出し「お箸をお取り上げ下さい」と挨拶から始まり、最初の一文字飯に、今・ただ今炊き上がりお客様をお待ちしていましたと心を込めてアピール致します。
一口の飯と味噌汁で胃を整えて、酒肴の順で箸を進めてまいります。汁替え、椀盛り、焼物、煮物で相伴の時をいただき、あらためて海のもの、山のものを持ち出して千鳥の盃を交わし、最後には釜の底についた「おこげ」まで湯を入れて持ち出し,香の物で器を清めて仕舞うところは托鉢僧の作法そのもので、お茶のかたちは、日本に伝えられた「衣」「食」「住」の良い所をあますところなく取り込み昇華させる最も優雅な世界ではないでしょうか。
(サンケイリビング新聞 エクセレンス二〇〇〇年秋号掲載文より)
九月の出会い
今年もたくさんの方とのお出会いがありました。新入会の方、田村塾、講演会、朝日カルチャー、ダイナースクラブなどと指折る暇がないほどです。
今年に入ってから私自身が二十世紀と二十一世紀を考える機会を得て、教室そのものも大きな動きの中にある事を感ぜずにはいられません。
常々「十年後の自分は今日」と申上げておりますが、私の六十年を振り返ってみますと、九歳で上京し、茶道に目覚め、主人との出会いがあって、19歳で結婚をして、二七歳から茶懐石料理教室を始め、三十代半ばから日本列島を転々と地方教室へ伺って五十歳になって世界へ目を向ける事となりました。
十年毎の節々に新しい方との出会いと私の意識に大きく影響を与えて下さる方々との必然的なチャンスをいただいて、一宮庵の引き出しは六つに区分けされその六つはそれぞれが独立していながら相乗してシナジー効果を発揮するようになってまいりました。
引き出しを整理整頓して二十世紀に残して行くものと二一世紀に持って行くものとを秋の夜長、月を眺めながら、今夜は月まで届く果てしない夢を描いています。 宗厚
神無月のおもてなし
| 向付 | ひらめ昆布締め 柚子こしょう |
| 汁 | 紅葉麩 合わせ味噌 溶き辛子 |
| 椀盛 | 松茸 土瓶蒸し 松茸、カニ、三つ葉、柚子 |
| 焼物 | 牡蠣 湊焼き |
| 煮物 | 干瓢 炊き合わせ 豚、いんげん |
| 小吸物 | ときのもの |
| 八寸 | 百合根 鱈子和え |
十月は風炉の名残と一年の 季節の名残りでもあります。
中置きに風炉、釜を据えてお茶に向き合うと、日本の詫びさびが聞こえてくるようです。
十月の風水お献立
実りの秋には神様に一年の収穫を報告して 感謝を申し上げます。
お蔭様で一宮庵では毎年 瑞穂町のおいしいお米を頂いております。
| 時の肴 | きのこ お米の紙包み |
| 木の膳 | 胡瓜 焼き椎茸 胡麻酢和え |
| 火の膳 | 車海老 旨漬け |
| 土の膳 | 根菜汁、味噌仕立て |
| 金の膳 | 鶏 治部煮 |
| 水の膳 | しめ鯖 わさび |
| 天 | 豊葦原瑞穂の新米ご飯 |
| 地 | 菓子 抹茶 |
二十一世紀最初に頂く
お節料理
| 新世紀に最初に口に入るお食事は、皆様の健康と幸せを念じながら製作する一宮庵の開運おせちを お召し上がり頂くため、10月1日 試作品が完成致しました。 雑煮椀、純米酒 「五節句」付 一三〇〇〇円 ご予約承ります 詳しくはお教室にて |
十一月の予定
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竹楓園 和喜庵 |
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